池内伝説の始まり

ボクシングでは、試合続行を不可能と判断した自陣のセコンドが、リング内に白いタオルを投げいれることで試合放棄を表明する。
記録上ではTKOと表記され、ノックアウト負けとして扱われる。
本日は決して試合放棄しない不屈のボクサーにたとえたい池内計司に四国今治市からMCEI大阪のリングに登場いただきました。

 

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ORGANICしかやらない!なぜそのような路線となったのか、その沿革と歴史

日本のタオル業界の現状はその80%を中国やベトナムなどからの輸入で残りの20%が国内で生産される。そのうちの12%が今治で8%が泉州と東京の一社(ホットマン)となっている。
今治タオルは四国タオル工業組合100社のうち今治周辺でつくられているものを指す。
四国タオル工業組合はもともと500社程度存在したが輸入の拡大で100社ほどに減少したのである。

タオルの起源は170年前のイギリスである(1850年トルコ旅行をしていたイギリス人が手工芸品として作成されたタオルの原型を母国に持ち帰り工業化を進めた、調度産業革命が始まったころである)。
日本では明治元年(1869年)には輸入の実績があり、ショールなどの用途として高級品として扱われた。国内での生産は133年前の高槻市周辺での生産にさかのぼり、その後泉州に生産の中心が移って行った以後130年シロモノを中心に生産している。
四国今治で生産が始まったのは122年前である消費の中心から距離のハンディがあるのでイロモノを中心に生産してきた。綿織物の会社がタオルの生産へと変わっていったのである。

タオルの概念として江戸時代の日本は手拭(手拭の歴史は日本の織物の歴史でもある。)ヨーロッパではワッフルタオルが原型となる。
イギリスにおいて織物産業が麻からマンチェスターのウールその後インド綿を広大な土地を有するアメリカで奴隷を使って大規模に生産していく。
19世紀綿織物は世界中に広まっていくが、綿の栽培は広大な土地を使う極めて環境負荷の高い産業なのである。
池内タオルは大正から続き現在で三代目である。
1953年池内忠雄が池内タオル工業を創業しタオル生産を開始する。
1969年池内タオル株式会社を設立し1983年2月池内計司が社長に就任した。
1994年ジャガードのタオルハンカチを開発し販売を開始した。
1999年瀬戸内にしまなみ海道が開通した年の3月に業界初のISO14001を取得し、自社ブランド「IKT」を立ち上げた。
元々は問屋から注文を受けタオルハンカチのOEM生産を主力とするタオルメーカーだったが取引先の問屋が倒産し売掛金が焦げ付き経営が悪化し2003に民事再生法の適用を申請した。
その後はOEM路線から脱却し自社ブランドを核とした事業展開を行い、2007年には民事再生法の手続きを終了している。

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「IKT」は2002年にアメリカの織物品評会「ニューヨークホームテキスタイルショー2002年スプリング」で最優秀賞を受賞した。
当時首相であった小泉純一郎は工場を視察し2003年の施政方針演説(第156回国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説)で、社名は出さなかったものの紹介し話題となった。

IKEUCHI ORGANICの考え方、その哲学と理念

自分たちの思いを直接お客様に伝えるために、生き残るために、作り手として作りたいものを作ろう!「IKT」は年間200アイテムの新製品を発表する。最大限の安全と最小限の環境負荷でテキスタイルを作る。
LIFE FABRIC:顧客一人一人の生活ために織り込まれたファブリックだけではなく、社会の組織をも織物(Fabric)と見立て、豊かな生活のファブリックを提案し、より自然にピュアになっていく未来を目指している。
オーガニックに精密さを、池内オーガニックが考える3つの安全は、常に「誠意をもって説明できること」を大切にしている。
この企業品質を原材料の調達から最終製品に至るまでの安全性と環境性のデータを全て公開することで実現している。

イケウチオーガニックが考える三つの安全性とは、

生物学的安全性
①3年以上化学農薬や肥料が使われていない土壌で有機栽培で育てられていること
②遺伝子組み換えでないこと
③コットン生産農家が、安全な労働環境下にあり、正当な生活賃金が支給されるフェアトレードであること。

化学的安全としては2001年11月エコテクス規格100のクラス1を業界初認定。
イケウチは全製品クラス1である。(クラス1は部屋に入れても安全、クラス3は身に着けても安全、クラス2は密着しても安全、クラス1は36か月未満の乳幼児が口に含んでも安全)

さらにグリーン電力の導入としては、2002年に使用する電力の100%を15年契約で風力発電に切り替えた。
2003年9月「風で織るタオル」販売開始、2008年3月には第12回「新エネルギー大賞委員長特別賞」を受賞、2013年6月には再生可能エネルギー使用を示す環境ラベル「Wind Made」に日本企業として初めて認証された。
まさにトータルオーガニックテキスタイルカンパニーとして認められたのだ。

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IKEUCHI ORGANIC の未来とは

2013年に池内タオル株式会社が60周年をむかえた翌年、2014年3月に「IKEUCHE ORGANIC株式会社」に社名を変更した。

この年STRAITS2をオーガニックに変えて製品の100%をオーガニックにすることができた。

2072年には乳幼児が食べても安全な製品に切り替えていくことを目標にしている。

食べても安全なタオル作りへと、2015年12月にはISO22000を業界初認定される。

この基準は食品工場としての基準である。

消費者の安全基準のハードルは時代と共にどんどん変化し、そのハードルは上がっていく。

まさに顧客がイケウチオーガニックの製品を作っていくのだ。

今後は全工程のトレーサビリティも目指していく。

池内計司氏は33年前(1983年)にパナソニックをやめて「池内タオル株式会社」を継ぐために今治に帰った。
1992年4月にYグループ協同組合(今治市内のタオルメーカー7社が設立した協同組合)の染色工場「インターワークス」が操業開始し四国タオル工業組合の製品基準となった。
今治タオルはこの7年間ステップアップしていないと池内氏はいう。
ライセンス事業だけ、青山の一店舗だけではだめだという。

そのようななかイケウチオーガニックは未来に進む。
基準はきびしいほどお客様に感動を与える!

イケウチオーガニックの商品は直営店で販売される。
2002年10月東京白金台に直営タオルショップ「TPO」開店、2014年3月南青山オーガニックタオル専門店、9月京都にそして2015年6月福岡に専門店を開店していく、店舗では使ってもらってから買っていただく「イケウチエクスペリエンス」である。

1999年自社ブランド創設から2003年熱烈なイケウチファンの応援をうけながら民事再生法の適用をくぐり、2073年の創業120周年には食べられるタオルをつくるという目標に向かう。
IKEUCHE ORGANICを知ることは、オーガニックの最新状況を知ることとイコールでありたい。
シンプルに、無駄を削ぎ落として全うにテキスタイルをつくることで、その精密さをもって未来を切り開いていく。

オーガニックは当たり前の世界である、新しい次の時代へ向けてのオーガニックを目指して、リアリティのあるオーガニックスタイルを生み出すための3つの行動指針がある。

 

1.最大限の安全と最小限の環境負荷

2.すべての人を感じ、考えながらつくる

3.エコロジーを考えた精密さである。

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自然の豊かさと安心をファブリック商品にしていくためにそしてものづくりの根底にあるのは、人々のエネルギーである。
私たちという作り手である「人」。
仲間たちという「人」。
多くの生活者としての「人」。
そして全ての商品、サービスに人格を感じることを大切にする。