理事長の橋詰です。3月定例会(2016/03/10)のレポートです。

春一番!気温が激しく乱高下する中、近畿大学広報部長の世耕石弘さんをお招きしました。
圧倒的に正直な人です。他人に対してはもちろんのこと、自分に対しても容赦なく正直である。その問いかけは世間の常識というものにとらわれているわれわれの神経を逆なでし常識の再考、再再考を喚起する。

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1969年生まれ、49歳。近鉄に入社しHPを担当、運行状況をHPに掲載しようとするが鉄道会社の運行状況は出さぬが常識、運行の遅れを出すことは恥であるという常識を跳ね返し掲載。今はどの会社でもHPに載せることは常識となっている。15年間の鉄道会社を経てホテル、海外派遣、広報を担当。2007年より近畿大学入学試験センター入試広報課長。2013年より広報部長代理となり現在に至る。ご自身はエスカレーター式で大学まで進学し、入試という概念・常識を知らずに現職に在る。入試広報というストイックなコミュニケーションをになうチームと法人広報チームという対外的な宣伝、コミュニケーションをになうチームの16人のメンバーと共に一体的に動かしている。

 

民間企業と私立大学はどう違うの? 

主な民間企業はあえてお金儲けを丸出しにしない、それぞれの企業理念の中で社会に貢献していくことを掲げている。教育だけが社会の基盤を支えているわけではなく、全ての企業が大なり小なり社会を支えている。日本に大学は780校しかなく、その成功事例などはどうでもいい・・・公平でフラットな姿勢で民間の事例も含めて様々な成功事例を取り入れとていく必要がある。近大は学部生31000人で、マンモスと言われる日本大学50000人、早稲田大学40000人と引けをとらず、学部卒業者は累計で48万人いる。

建学の精神は「実学教育」と「人格の陶治」であり初めからアカデミックな官立の大学とは一線を引いてきた。これまでに無い独創的な研究を活かすことで収益に結びつける。独創→産業貢献→収益拡大→研究再投資→さらなる独創!90年前の近大の研究サイクルは今各大学の常識となっているし、企業が取り組むべきサイクルともそう差異は無い。

 

昭和23年(1948年)和歌山県白浜で水産研究をスタートさせた。「海を耕せ」ただし金は無い、研究費は自ら稼げ。ハマチから真鯛そして平目へ、クロマグロは2002年に完全養殖に成功した。養殖研究スタートから32年かかったが今や世界の養殖業のパイオニアとなっている。

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近大の痛い現実!

18歳人口の推移をみると1993年には205万人いた大学進学者は2031年には99万人となりマイナス106万人(−52%)という予測がある。今日本の大学の進学率は50%であり、大学に行く意味が無い、大学という資格の常識を疑う世の中の風潮がある。関西のA大学では1992年に23922人いた入学者が2013年には1028人となった。B大学では8299人いた入学者が129人に減ってしまった。それでも大学は潰れない。

 

常識を疑う目を養う。

教育関係者の構築した強固な常識として大学の格付けがある。関西における一部リーグ京大・阪大・神大 二部リーグ関大・関学・同志社・立命館 三部リーグ京産大・近大・甲南大・龍谷大 関東における東大 早・慶・上智 GMARCH 旧七帝大、70年前に設置された大学のプライドなどがあげられるが進学生はその教育内容で選択していない。

しかし大学が本来伝えなければならないことはその教育内容なのだが・・・例えば近大においては48学部、6キャンパスの総合大学なので広報宣伝で何をつたえているのか分からないというジレンマにおちいる。実は近大は関西大学志願者数1位、The世界大学ランキング関西私立大学1位、民間企業からの受託契約研究1位である。

 

常識や現状を打ち破るため現状と問題を正しく知る。

「問題は正しく提起されたときにそれ自体が解決である。」アンリ・ベルグソン

大学は研究と教育内容で見るべきだのに現実はそうではない。そんな中で近大流のコミュニケーション戦略が始動した。世耕氏は2年間で150回以上講演している、それもコミュニケーションに基づく強力なコミュニケーション戦略である。

コミュニケーションの基本は「伝えた」ではなく「伝わったか」である。

実学教育の近大、たかだか90年の伝統に縛られない大学のカラーを世間に共感させる、現状の大学の序列を打破しフェアな競争環境を創り、日本の大学のレベルアップを目指す!近大は常識を打ち破り、実践して世の中を変える。

 

広報ファースト?実学への意志を鮮明に。

願書は手書きでという教育関係者の常識を打ち破る近大エコキャンペーンを展開、「カミ頼みの受験はもう止めたい」、「受験生よインターネットを駆使するのだ」、「近大へは願書請求しないでください」、大学願書全国ネット化を全国で初めて実践した。

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平成26年にはネット出願も当たり前となる。まさに行動実践が世の中を変えていく事例だ。その他にもAmazonとの連携による教科書販売、保護者ポータルサイトの開設、卒業証明書をコンビニで受け取れる、日本一ド派手な入学式、「こんなところに来はずではなかった」という失意の入学生を盛り上げる、卒業式でのホリエモンのスピーチなど教育関係者の常識を次々と覆していく。

 

居酒屋「近畿大学水産研究所」を大阪グランフロントに続き平成25年12月に銀座にオープン、マーケティングではなく、ブランディングではなく、コミュニケーション戦略で90年間提唱してきた実学の近大を世間に認知させた。

 

日本のドメスティックな感覚はおかしい、もっともっと競争しなくてはならない。昨年4月に国際学部をつくるときの広報、「いきなり世界戦や」、「近大×Berlitz」、さらに「近大をぶっ潰す」、「マグロ大学って言うてるヤツ、誰や」、「近大発のバチもんでんねん。」など近大の大学への常識を打ち破る宣戦布告は続く。

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最後に、「二十年後に人は、やったことよりやらなかったことを悔いるのだ。だから綱を放ち、港を出、帆を揚げ、風をとらえて、探検せよ、夢見よ、発見せよ。」(マーク・トウェイン)