理事長の橋詰です。7月定例会(2015/07/09)のレポートです。

梅雨の晴れ間、明るい曇り空の中真宗佛光寺派本山佛光寺の境内にお邪魔しました。

高辻通りから見た本堂の姿は漆喰で塗り込められたあたかも城郭建築のような印象をうけました。高い塀に囲まれ閉じられた境内にナガオカケンメイさんが運営するD&Dデパートメントストアとカフェが佇んでいました。

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京都芸術造形大学に迎えられたナガオカ氏が偶然にも佛光寺の関係者と出会い、それぞれの思いが偶有性の中で切り結び今回のような京都でのD&Dストアとなった訳です。

大学の思いはどのようなものでしょうか。「アートで世の中を平和にしたい。」商売が目的ではなくナガオカ氏のロングライフデザインを大学を通して具現化したい、学生を集めたプロジェクトで大学は佛光寺の境内でD&Dストアを運営し、5つあるデザイン学部ではそれぞれにロングライフデザインを共通テーマとして課題に取り組んでいます。

佛光寺の思いは何だったのでしょうか。導入に当たり、創建800年、この地においても500年経つ寺の理事会では、一度否決されながらも関係者の努力で再度決定され導入に至りました。今、寺は少子高齢化や宗教離れという社会変化の影響を受け変革を迫られています。寺を風景でしかないという人々を寺に関わってもらい、社会にどう解放していくのか。餅つき、さくら祭り、野菜市の開催、他団体との協力、伝道掲示板の活用など、寺を開くための様々な活動を展開しています。

それぞれの思いと行動が参拝者と観光客の増加、そして知名度のアップという結果をもたらしていました。3万人〜4万人に及ぶ信徒を抱える本山佛光寺の伝統と格式を守るならば閉じていればいい!しかし、寺はD&Dと京都造形芸術大学との出会いを逃さず彼らの思いを受け入れました。

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大学も社会の変化に対峙しています。高校生までに子供達が美術やデザインを学ぶ機会が極端に減っている、デッサンなどの基礎的な技術を持たない生徒にいかにアートやデザインを教えるのか!大学は「デザインを育てる!」という理念のもと、今社会で活躍する造形家、デザイナーを招へいし社会に開き繋がろうとしています。

「10年後には物を作るデザイナーは十分の一でよい」という学内の討論会での、ある教授の言葉に涙して抗議する学生がいたと聞きます。しかし受け入れなくてはいけない社会変化はあるのです。デザイナーは、芸術家は、建築家は、社会に世界にかかわり貢献しなければならない。ものを作ること、造ることは人が人生を営む中で決してなくなりはしないのです。しかし、作ることが目的となり世界にものを溢れさせたことが近代、現代の一側面であれば、今、ものを作るデザイナーを十分の一にリセットしてもよいのではないでしょうか。

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当然われわれマーケティングに関わるものも!ただし、なくなるのではなく社会との関わり方を変える、制度や歴史に縛られることなく考え、発言し、行動し、耳を傾け、見るべきものを観る、未来に向けての鼓動を聴き取ることなのではないでしょうか。

ここ10年が勝負だ、これから面白くなる!

橋詰 仁