理事長の澤田です。12月(2014/12/11)の定例会レポートです。

澤田です。

「いやあぁっ!おもしろかったぁ!」

「明日のケメ通(理事長ブログ)の書き出しは
『いやあぁっ!おもしろかったぁ!』ですか?」

昨日のMCEI大阪支部定例会から帰るときに
参加者の方からかけられた一声です。
それくらいエキサイティングな講演でした。

東京からお招きした講師は
フロンティア・マネジメント株式会社の
代表取締役 松岡真宏氏。

パワーポイントの配布資料を参加者に配布され
PCそのものは使わずにペーパーベースの講演でした。
テーマは『コングロマリット経営と時間資本主義』

ぼくが冒頭のご紹介で「よう分らんテーマ」と
不躾な挨拶をしてしまっても
穏やかに説明していただきました。

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「コングロマリット経営」とは複合企業体 のこと。
そして「時間資本主義 」は11月に出版されたばかりの
松岡さんの近著のタイトルらしい。

『時間資本主義の到来』 
 あなたの時間価値はどこまで高められるか?
 松岡真宏/著
 出版社名 : 草思社
 出版年月 : 2014年11月
 ISBNコード : 978-4-7942-2088-2
 (4-7942-2088-X)
 税込価格 :1,512円

 [要旨]

 時間は、買うものから売るものへ。
 誰もが、わずかな時間を切り売りして稼ぐ時代がやってきた―。
 気鋭の経営コンサルタントが、
 消費行動、企業のあり方、個人の働き方まで
 「時間」と「いま」の関係を読み解く。
 「すきま時間」×「スマホ」=時空ビジネス。

[目次]
 
 第1部 時間資本主義の到来
 (人類に最後に残された制約条件「時間」
 時間価値の経済学
 価値連鎖の最適化から1人ひとりの時間価値の最適化へ)
 
 第2部 時間にまつわるビジネスの諸相
 (時間そのものを切り売りする
 選択の時間
 移動の時間
 交換の時間)

 第3部 あなたの時間価値は、どのように決まるのか
 (人に会う時間を作れる人、作れない人
 公私混同の時代
 時間価値と生産性の関係)

 第4部 時間価値を高めるために―場所・時間・未来
 (時空を超えて巨大都市隆盛の時代
 思い出の総和が深遠な社会へ)
 
 おすすめコメント

 流通専門家、経営コンサルタントである著者が、
 「時間価値」という切り口で、日本の消費経済を読み解き、
 個人として時間価値を高めることの必要性を説く。
 技術がいかに進化しても、時間は人間にとって自由にならない制約条件として残る。

 著者紹介

 松岡 真宏 (マツオカ マサヒロ)  

 フロンティア・マネジメント代表取締役。
 
  東京大学経済学部卒業後、野村総合研究所やUBS証券などで
 流通・小売り部門の証券アナリストとして活動。
 UBS証券で株式調査部長に就任後、
 金融再生プログラムの一環として設立された産業再生機構に入社し、
 カネボウやダイエーの再生計画策定を担当。
 両社では取締役に就任し計画実行に携わる。
 2007年に弁護士の大西正一郎氏と共同で、
 フロンティア・マネジメント株式会社を設立し、共同代表に就任。
 経営コンサルティング、M&A助言、企業再生を軸とした経営支援を行う

と、ネット上の本の紹介に書かれています。
フロンティア・マネジメント株式会社
http://www.frontier-mgmt.com/index.php

設立は2007年、産業再生機構で出会った仲間が
離ればなれになるのが惜しいと立ち上げた
企業と講演の冒頭に説明されてました。

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講演は三つのテーマでまとめられていました。
先ず一番目のテーマは消費関連企業の
業績不振要因は消費低迷ではないということ。

過去25年の消費は
総量ではほとんど変わっておらず
その内訳が変わっていること。

家計消費の消費支出は1989年を100として
25年経過した2012年を見てもたったマイナス4.5%。
減ったのは衣料が−46.8、家具−18.9、食料−11.0

そして大幅に増えたのが
電気代というか電気使用量で32.9UP
高齢化を反映して医療が54.5UP

さらに通信費の40.2UPと続きますが
総量は変化せずその内訳が変わっている。

デパートやGMSの売り場面積の推移をみても
減ることはあっても増えていません。

二番目のテーマは
不可避的な人口動態をベースにした
収益改善シナリオ。

東京圏、名古屋圏、大阪圏の三大都市圏への
人口動態の分析です。
1980年代ころまでは三大都市圏の人口動態は同じ動きでした。

東京へ人が流れ込むと名古屋も大阪も流れ込みがありました。
それはバブル経済までの高度成長の時期、つまり製造業の時代。
均質な労働者を地方から集めて製品を作ることが製造業です。

既存商品 VS 新商品・高齢化
製造業 VS 付加価値型サービス業・付加価値型情報産業
既存商品を作ってきた製造業はやがて衰退していきます。

それがバブル崩壊後製造業から
付加価値型サービス業の時代になり
東京のみに人口流入が集中します。

既存商品 VS 新商品・高齢化
製造業と付加価値型サービス業・付加価値型情報産業

世界のデパートで1店1000億円の売上を持つのは
11店しかないがそのすべてが日本のデパートらしい。
世界のターミナルの乗降客数は東京がずば抜けて多い。

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結論は「ロードサイド」から「レールサイド」へのパラダイム変換です。
1970年〜80年、地方の活性化、ロードサイドビジネスの開拓
それが現代は情報化、ITCの飛躍的な発達です。

情報化が進めば田舎でも情報は入手できるが
メールでやりとりできない本当の情報が欲しくなり
情報化が進めば都会に群れるようになる。

それが「レールサイド」だと。
分散型から一極集中になる。
一極で勝つしかない。

選択と集中  多角化はだめ
ひとつのことに特化しろ
それが間違いだと気づき始めます。

企業複合体で生活者の財布のシェアを奪う
有効な多角経営であり
異業種提携事例も教えてもらいました。

最後は『時間資本主義の到来』です。
それはこんなエピソードから始まりました。
「値段の高い洗濯洗剤が売れているらしい」

「それはすすぎの時間が10分短くなっている」
たった10分のことなのです。
しかし今は10分あればスマホでいろんなことができる。

ITCの発達はPCの発展よりスマホの浸透です。
PCは固定化された場所と時間でした。
スマホは外部化と自由な取扱いです。

仕事や睡眠・食事などの「かたまり時間」より
1分から10分の「すきま時間」が価値を持ち始めたのです。
詳しくは近著『時間資本主義の到来』をお読みください。

我が国人口12500万人のうち東京圏に棲むのは約3000万人
たった25%しかまだ集中していません。
韓国の首都への集中度は4割を超えるらしい。

まだまだ東京圏に集中が予想される。
そして人口減現象です。
1億人を切りやがて8000万人になっていきます。

東京圏に集中するのが4000万人とすれば
残りの4000万人で地方を支えなければなりません。
そんなことは絶対に無理なはなしです。

そんな未来がすぐそばにやってきています。
「あなたの24時間を企業が奪いに来る」
「失敗を嫌う消費行動は保守的になる」

まるでアベノミクスのからくりを
数字を含めて見せてもらったような
昨日の講演でした。

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MCEI大阪支部41年目の来年度2014年度の年間テーマは
「生活者とともに進む?マーケティングの可能性?」です。
まさに熱き思いがふつふつと伝わってきた昨日の定例会でした。

「いやあぁっ!本当におもしろかったぁ!」
松岡さんは今朝の早い便で関空から中国出張らしい。
まさにアグレッシブでワールドワイドの講演でした。

MCEIは多様なマーケティングの現場で
困難な課題に挑戦し続けている
実務家の組織です。

希望はここから、
勝負はこれから。
これから面白くなる

今日、ここからまた新しい出発
元気出していこう。
(水口語録より)