澤田です。

「ヒット商品」とは。

 それは「時代を反映して
 熱狂的に消費者に受け入れられているもの」

 単に売れているというだけでなく、
 それを買わなければ社会から取り残されて
 いるという疎外感を感じさせるようなもので、
 必ずヒット商品の裏にはヒットトレンドがある。

ぼくが大学の授業でつかっている商品力のスライドです。
昨日のMCEI大阪支部 2014年11月度定例会では
そんな今年のヒット商品と来年のヒット商品予測を聞きました。

東京からお越しいただいたのが品田英雄さん
日経BP社の日経BPヒット総合研究所上席研究員で
日経エンタテインメント!編集委員です。
テーマは『2014年のヒット商品を振り返り、15年を予測する』

品田さんは1957年東京都出身となっていますが
本当は山形県生まれなんですと爆弾発言から始まりました。
小学生で東京に来られ学習院大学法学部卒業。

ぼくより10歳若いオシャレなシティボーイです。
1980年ラジオ関東(現ラジオ日本)入社。音楽番組を担当。
1987年、日経BP社に入社。業界向けの
           週刊誌「日経エンタテインメント」編集部に勤務。
1997年、総合誌「日経エンタテインメント!」を創刊、編集長に就任。

11月3日に発売されたばかりの月刊情報誌「日経トレンディ」の
「2014年ヒット商品ランキング」と「2015年ヒット商品予測ランキング」の
データをもとに熱く語っていただきました。

定例会201411-1.jpg

いやあぁっ!声は大きい!動き回る!質問を投げかける!
まさに熱く語っていただきました。
ここで言うヒット商品とは基本的に新製品。

成熟社会の特徴として
1.モノもサービスもあり余る
2.先の読める未来
3.生きる手応えの希薄さ などが揚げられる。

いまどきのヒット商品のヒット傾向は
「質が悪いのに売れる」
「高いのに売れる」という商品が目立つと仰る。

2014年ヒット商品ランキングのヒット商品傾向は
女性が元気で強い。子供発から若い女性を巻き込む
去年は「永遠のゼロ」に象徴されるようにオトコが売れた

そして今年は結構高いものが売れた。
その上非日常も売れたと仰る。

【2014年ヒット商品ベスト30】
 1.アナと雪の女王
 2.妖怪ウオッチ
 3.ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッタ
 4.ジェルボール洗剤
 5.Ban汗ブロックロールオン
 6.伊右衛門 特茶
 7.TSUM TSUM
 8.クロワッサンドーナツ
 9.格安スマホ
 10.あべのハルカス

なんと1位が「アナ雪」2位が「妖怪ウオッチ」
そして3位がUSJのハリー・ポッタです。
まさに非日常も売れた!という結果です。

11位以下となると、じいさんのぼくには
まったく分からない商品が並びます。

室内を汚さない砂遊び道具「キネティックサンド」
「希少糖」に超高額のヘアアイロン「ミラカール」、
手編みのような玩具「ファンルーム」や子供用万年筆の「カクノ」等々。

他社メディアが発表するヒット商品番付に先駆けて
11月始めに発売される「日経トレンディ」の特徴に
「2015年ヒット商品予測ランキング」があります。

来年のヒット商品予測、それも商品名までも明記する。
実はこれはほとんど不可能なのだそうです。
3年前のヒット予測がようやく今、商品となって出てくる。

業界傾向やヒットトレンドなら書けるのでしょうけどねぇ。
敢えて商品名まで明記する。
それにチャレンジして発表されているらしい。

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2015年のヒット予測のキーワードは
「ゆる&得」「 楽する節約」
「過激化する楽しみ」
「自分がスターになる 素人が輝く」など。

2015年ヒット予測ランキング
●「ゆる&得ヘルス」「楽しい節約」「カスタ魔ー対応」…15年のキーワード
●メインカメラが回転! 美白・美顔機能も!「セルフィー」仕様にスマホが進化
●近くてうまい! 安い! 女性向けの「ちょい飲みコンビニ」がブレイク
●「都市型パリピフェス」「フローズンスモア」「2.5次元ファッション」


【2015年ヒット予測ランキング20】
1.グルメ「健効」系フーズ
2.セルフィースマホ(自撮スマホ)
3.北陸トライアングル
4.ライスミルク
5.得するスマートウエア
6.たまごっちラリー
7.遺伝子診断サプリ
8.ともだちロボット
9.超体感ゲーム
10.スター・ウォーズ・カウントダウン

ラジオ放送局から始まって雑誌まで
いろんなメディアに関わってこられた品田さん。
いま出版社は本が売れなくなって新規事業を模索中らしい。

出版社に収集されている膨大なトレンド情報
その情報を読み取りヒット予測ができる編集者たち
このビックデータを眠らして置く手はありません。

出版社の編集力をつかってコンサルタントを請け負う。
メーカーにも流通業界にも提案する。
とくに最近は購買接点 流通からヒット商品が生まれるらしい。

新製品がでても3カ月もすれば消えてしまう商品がほとんど。
そのデータはすべて流通が握っています。
ましてやS-N-Sで調べればだれでも詳細データが分かる時代です。

講演の最後は三つの「感」というお話でした。
その前に我が国のオトコたちが
もっといいオトコになれるための秘策も教えてもらいました。

そして「感」は感動 感情 感謝
それを大事にしてもっとコミュニケーションを。
見た目を褒めるんじゃなく内面を褒める。

MCEI大阪支部41年目の2014年度の年間テーマは
「生活者とともに進む―マーケティングの可能性―」です。
まさに熱き思いがふつふつと伝わってきた昨日の定例会でした。

MCEIは多様なマーケティングの現場で
困難な課題に挑戦し続けている
実務家の組織です。

希望はここから、
勝負はこれから。
これから面白くなる

今日、ここからまた新しい出発
元気出していこう。
(水口語録より)