澤田です。

まだまだすごい人がいるもんだ!

そんなことを痛感した昨日の
MCEI大阪支部 2014年10月度定例会でした。
お越しいただいたのは辻野晃一郎さん。

辻野さんは1957年福岡県生まれと仰るから現在57歳。
1984年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニーに入社。
88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。

VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の
カンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。
翌年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。

2010年4月にグーグルを退社し、
アレックス株式会社を創業され
現在代表取締役兼CEO。


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昨日の講演テーマは『「成功体験はいらない」とは?』
今年7月PHPビジネス新書から発刊された
ご自身二冊目の著書「成功体験はいらない」からの引用です。

みずからは「失敗と挫折の人生」と仰る。
「栄光と成功の人生」ではありません。
成功体験は足かせになってしまうというお話から始まりました。

現代の社会は「変化が激しい、速すぎる時代」
成し遂げたことは瞬時に過去のことになります。
とくに我が国の社会状況は衰退期の日本です。

我が国の企業のライフスタイルが創業期から
成長期を経て安定期になりそれを持続できなくなり
今や衰退期に入っている企業が多くみられる。

SONYは家電で世界を制しました。
その「モノツクリ」はまさに垂直統合の擦り合わせ。
しかし現代は水平分業の時代。

アップル社の生産体制も水平分業。
アップルが考えアジアで生産し
世界で販売する。

自動車は車でなく「ITデバイス」になる。
Googleの自動運転やテスラの電気自動車。

世界の生産体制は ITリテラシーが主導している。
インターネット  クラウドコンピューティング
リアルな地球とヴァーチャルな地球

そこには時間差もなければ、国境もない。
地球人口70億人の内24億人がネットに繋がる
あらゆることの再定義が進んでいる。

新たなチャンスに溢れている。
世界に向けてのチャレンジが必要。
これまでの10年よりもこれからの10年が需要。

激することもなくたんたんと講演は進みます。
辻野さんに関する情報などを読んでいると
ものすごく熱い人かと思っていましたが話し方は違いました。

講演は後半に入ります。
「技術的特異点問題」という聞きなれない言葉が飛び出します。
それは「2045年にコンピュータが人類の能力を凌駕する」らしい。

まるでSFやハリウッド映画のストーリーですが
とくにアメリカを中心に国家的に大真面目に
科学者がこの問題に取り組んでいるらしい。

2008年にNASAは特異点大学を設立し
Googleはロボットベンチャー企業を多数買収しています。
人類の未来、テクノロジーは神の領域に届くと言われています。

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講演の最後は2010年に起業されたアレックス社のこと。
今後20年で雇用の50%が無くなってしまう。
ロボットが代わりに働く世界がやってきます。

新しい雇用の創出が急務です。
衰退期に入っているのに気が付かない企業のトップと取り巻き。
そんなノスタルジックな企業には成長は望めない。
とっとと日本経済の舞台から消えて欲しい。

20世紀の延長線上では戦えない。
意思決定と行動のスピード。
コンセサスを疑え。

みんなが頷いてそう思い込んでいるコンセンサスを疑う。
西欧的な国家論に組み込まれている我が国の概念を見直す。
日本的な良さが忘れられているのではないか。。

日本人のメンタリティー。
日本のすぐれた技術、商品、人を世界に
出る杭を探して育てる

クラウドソーシング
クラウドファンディング。
起業する人のための資金を集める。

ALEX社の行動理念です。【HPより転載】

我々の行動理念は以下の通りである。

最初から世界市場へ
日本経済の新陳代謝を加速
経営スタイル、企業カルチャー、ビジネス慣習の刷新
少数精鋭、パートナー重視
群衆の叡智の積極活用
20世紀的にならない
常識を疑う
10年早く、10倍速く
人にフォーカス
天真爛漫

【転載ここまで】

最後に「地球単位で発想する」
宇宙の起源、人類の起源、頭脳の構成などなど

「やってみる!」
「失敗を恐れない」
「失敗にはやく遭遇する」
そんなことばで締め括られました。

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「儲かりまっかぁ!」「まあまあでんな」
私たちはマーケティングを金儲けの手段や
テクノロジーに陥れてはいけないと考えています。

マーケティングは人間が人間らしく暮すための
提案や指針を指し示すものと考えています。

人が生きていくために真に役にたつ
根源的なマーケティングでありたいと考えています。

MCEI大阪支部41年目の来年度2014年度の年間テーマは
「生活者とともに進む−マーケティングの可能性−」です。
まさに熱き思いがふつふつと伝わってきた昨日の定例会でした。

MCEIは多様なマーケティングの現場で
困難な課題に挑戦し続けている
実務家の組織です。

希望はここから、
勝負はこれから。
これから面白くなる

今日、ここからまた新しい出発
元気出していこう。
(水口語録より)