澤田です。

ニコニコ笑いながらボソボソとお話。

こんな言い方をすると怒られそうですが
決してバリバリのキャリアウーマンのイメージはありません。
どっちかというと「普通の大阪のおばちゃん」

でもそんな外見とはちがい考えてられることは
ものすごく緻密で用意周到のPR戦略プラン。
「いえいえ!そんなことはありません」なんて仰るのでしょう。


20140901.jpg


昨日のMCEI大阪支部 2014年 9月度の定例会の講師は
株式会社TMオフィス 代表取締役 PRプロデューサー
殿村 美樹さん。

講演のテーマは『心に響くPR』
〜隠れた良いものに新しい息吹を与える方法〜
生活者の心に響くPRについてを語って戴きました。

ピーアール会社ってご存知ですか。
株式会社TMオフィスのHPを見ると
こんなことが掛かれています。

「心に響くPR」・・・

勝ち負けの勝負を挑む戦略ではなく、
組織を取り巻くステークホルダー(利害関係者)と
それぞれWin&Winの関係を構築するという企業理念なのです。

先ずは「ひこにゃん」は
なぜ、ブレークしたか?から
昨日の講演は始まりました。

2007年に築城400年を迎えた彦根城の記念イベント
「国宝・彦根城築城400年祭」の観光客を集客のための
イメージキャラクターが「ひこにゃん」です。

ということでPR戦略の依頼主は彦根市でなく、滋賀県。
依頼があった段階ですでに「ひこにゃん」は存在していました。
「ひこにゃん」をつかって彦根城に観光客を呼び込むことです。

「づらす!」
昨日の殿村さんのお話ではこの「づらす!」がテーマでした。
ターゲットや目的をそれまでよりちょっと「づらす!」

「ひこにゃん」を一目見て「かわいいやん!」と
思われた殿村さんの戦略は誘客ターゲットを
「城好き」から「女性」へちょっと「づらす!」ことでした。

その戦略がまんまとあたり大勢の女性客がやってきて
まだ「ゆるキャラ」なんて言葉がなかった中で
「ひこにゃん」は一気にブレイクしていったのです。

日本に根付く伝統文化。
「いつの時代も無くならなかった文化は、
現代も繁栄するはず」がTMオフィスの信条。

それが一気に花が咲いたのがあの
毎年年末に京都・清水寺で発表になる
「今年の漢字」でした。

1995年に依頼されたPR戦略は「漢検受験を増やす」
「漢検」は公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施する
漢字能力に関する検定なのですがまったく知られていませんでした。

殿村さんたちは漢字のSWOT分析をします。
漢字って当時は子供たちからも嫌われていました。
だって宿題の「漢字ドリル」なんて大嫌いなんですから。

そこで思いついたのが一年の締めくくりに「今年の漢字」
漢字の日を制定します。毎年12月12日。
「いい字一字」(1(いい)2(じ)1(いち)2(じ))です。

全国的に「今年の漢字(今年を表現する漢字)」を募集してそれを年末に発表する。
1995年はあの阪神淡路の大震災があり地下鉄サリン事件があった年。
それを年末に京都清水寺奥の院で森貫主が揮毫して発表し奉納する。

分かりやすいストーリーです。
一気に受けます。
あっというまに年末の恒例行事になりました。

そして「漢検」も認知度はあがり
毎年毎年参加者の記録が書き直されることとなりました。
その結果、ばかな事件もありましたけど。


20140902.jpg


香川県の「うどん県」のしかけもお話ありました。
知事が出席した記者会見はマスコミは無視
しかたなく食のカリスマブローガーをつかって
ツイッター中継すると県庁のサーバーがダウン
これをマスコミが報道して一気に過熱とか。

徳島県の「ゆるキャラ」を全国区にするため
子供の求心力をつかって
阿波踊りを一緒に踊り「トクシィ」を広めるとか。

伝わる情報の条件は
・共感できるテーマ
・テーマが10文字以内
・インパクトの強いビジュアル

船井総研の船井さんに教えられたという「100匹のサル」のお話
芋を洗う野生の猿がでてくるとマネをする猿が出始め
それが100匹を超えると一気に全体広がる。

我が国の人口の2%(250万人)が
同じことをし始めると一気にブームは起きる
そんな事例も数多くお話いただきました。

「辛い」という漢字に横一本加えると
「幸せ」になるんですよ。
これが殿村さんの最後のお話でした。


 日々、活発に動く経済や文化。
 その頂点に君臨する大企業や大規模なイベントなどの情報は、
 メディアを通じて常に全国報道されます。

 しかし、その基盤を支える中小企業、
 そして地方に秘められた貴重な文化や資源の情報はどうでしょう?
 “情報の東京一極集中”の陰で忘れられているのではないでしょうか?

 そんな秘められた地方の魅力を、いかにすれば活性化し、
 時代のニーズに合った魅力 として光を当てることができるのか?
 私たちは創業以来、大阪に基盤を置くことで
 その戦略を模索し、実績を積み上げてまいりました。

 おかげさまで今、私たちが手がけた貴重な文化や資源は、
 全国各地で注目を集め、新しい付加価値を得て業界全体が潤ったり、
 「地方ブランド」として定着したりしています。

TMオフィス社のHPより転載です。
http://www.tm-office.co.jp/index.html


20140904.jpg


いやあぁぁっ!おもしろいお話でした
PR会社ってマスコミが集中している東京だけと思っていました。
ましてや大阪では企画にはお金は払ってくれません。

しかたなくモノをつくってそれに企画費も入れて
ようやく請求が許されます。
それが1982年から操業されています。

すごいことです。
いやいや!世の中まだまだすごい人がいます。
世の中すてたものじゃありません。

MCEI大阪支部41年目の2014年度の年間テーマは
「生活者とともに進む-マーケティングの可能性-」です。
まさに生活者とともにを再認識した昨日の定例会でした。

MCEIは多様なマーケティングの現場で
困難な課題に挑戦し続けている
実務家の組織です。

希望はここから、
勝負はこれから。
これから面白くなる

今日、ここからまた新しい出発
元気出していこう。
(水口語録より)