澤田です。

しゅっとしたはります。
汗一杯かいてがんばっているなんて思えません。
それでいてすごいことを周到に考え抜いておられます。

こんな若者がいるんだと思うと
まだまだこの国も捨てたもんじゃないと
すっかり年寄り目線で思ってしまいました。


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昨日はMCEI大阪支部 2013年9月度の定例会でした。
お越しいただいたのは西辻一真(にしつじ・かずま)さん
株式会社マイファームの創業者であり社長さんです。

といってもまだ創業7年目の会社です。
福井県三国町出身 京都大学農学部卒業。
まだ31歳

株式会社マイファーム  はhttp://myfarm.co.jp/
「自産自消」を通じて全ての人に、農業と食、
そしていきることに向き合ってもらいたい。という会社。

そして2013年テーマには
「自産自消」から「自産自消」の循環で農業に革命を!
とも書かれています。

講演の間はずっとにこにこされていて
マイクをさりげなく握って歩き回りながら
ゆっくりと落ち着いて分かりやすく話していかれます。

西辻さんはこんなことを書くと嫌われるかも知りませんが
多分小さい時から頭がよくてぼくらの時代では
ひょっこりひょうたん島の「博士」みたいな人だと思います。
※西辻さんごめん!

小さい時から作物を作るのが好きで京大農学部では
「世の中にない、すごい作物をつくる」と、
バイオや遺伝子組み換えの研究を続けますが、
プロの農家が欲する収穫量や効率を求められ断念。

農学部なのに農作業ができない。
おもしろい作物をつくる。 おもしろい農業。
そしてそのおもしろい経験を伝える。

そんなことを考え卒業後1年間だけ
ネットワークコミュニケーション企業に勤め
2007年春に退職し半年かけて事業計画を練り
2007年9月にマイファームを立ち上げました。

そのときの事業計画書にはこんなことが書かれています。
2008年  第1ステージ 体験農園事業
2010年  第2ステージ マイファームアカデミー事業
2012年  第3ステージ 畑師創出事業

子どものときから気になっていた広大な耕作放棄地。
この耕作放棄地をなんとか活用したい。
農業作業の中に入り込んで農家の方から信頼を得ます。

農家の人は眼で見えるものしか信じません。
農家はいままでは「なになにしてね!」と絶えず言われ続けてきました。
それは農水省からの政策でありJAから指示なのです。

農家の人と仲良くなれる必殺トークは
国の農業政策を批判することらしい。
農作業を手伝わさせてもらいながら
「今度の農業政策はねぇ」とつぶやくらしい。

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体験農園のビジネスモデルを教えてもらいました。


体験農園の料金は7万円


これは行政などの料金より数倍高い設定です。



7万円の内訳は原価3割、販管費4割、利益3割らしい。


原価は主に農家から借りる地代です。


販管費はコミュニケーションという管理の費用です。



週末しかやってこれない30歳代40歳代の


週末ファーマーファミリーです。


作物の生育具合を写メに撮って送ったり


休みなしで作物の生育を見届けています。



仮に1反(300坪、約1000平方m 約10アール)で換算すると


7万円×50人で売り上げは350万円になります。


仮に1反でお米をつくると約9万円で野菜をつくると約20万円。



もちろんお米も野菜も農作業があり天候の心配もあります。


耕作放棄農地をできるだけ高い地代で借り上げる。


農家は借りてもらったほうが確実に地代が入ってきます。



その結果、マイファームは耕作放棄地の


借り上げ申し込みが同業他社の比べて


ずば抜けて多いと自負されています。



マイファームアカデミーも開設されています。


農業大学では教えてもらえないアグリビジネス。


それを農業サービス業と名付けておられました。



卒業生は農業をしてもいいですが


体験農園の管理人になるという道もあります。


にこにこ笑いながら週末ファーマーの要望に応えるサービスマンです。



アグリビジネスやTPPなど問題がいろいろあります。


一時は一気に増えた農業生産法人がつぶれていっています。


いま農家では「自立」ということばが取りざたされています。



西辻さんは東北の震災以後会社の事業を忘れて


津波被害の塩害の東北の農地にはいり


農業での復興に奔走します。



やりすぎて社長を取締役会議で解任されるということも


勃発するほどの情熱がどこにあるのかと思うほど


にこにこと笑いながら説明してくれました。



これからは農のイノベーションが起きる。


そのための農業人材をつくり人材派遣も考える。


2016年度には30億円の会社を目指すとおっしゃる。



それはJAのライバル会社になるということらしい。


JAにはライバルがいなかったから。


31歳のソーシャルビジネスの夢は拡がります。

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昨日もほんとうにエキサイティングなお話でした。


いやいや!本当にがんばっているひとがいる。


まだまだこの国も捨てたもんじゃないと思います。



MCEI大阪支部の2013年度の年間テーマは


「MARKETING NEW ROAD


 −新しいマーケティングの道をデザインする−」です。



MCEIのMはMarketingのMです。


マーケティングになにが出来ることを考える。


マーケティングを単なるビジネスの儲け話のテクノロジーに陥れない。



人が生きていくために真に役にたつ


根源的なマーケティングでありたいと考えています。



2013年度、MCEI大阪支部は40周年を迎えます。


40周年は未来に向けての40周年でもあり、


50周年、100周年を見据えての40周年です。



MCEIは多様なマーケティングの現場で


困難な課題に挑戦し続けている


実務家の組織です。



希望はここから、


勝負はこれから。


これから面白くなる



今日、ここからまた新しい出発


元気出していこう。


(水口語録より)