理事長の澤田です。7月の定例会レポートです。

澤田です。

   本屋ですが
   ベストセラーは
   おいてません

昨日はMCEI大阪支部7月度の定例会でした。
講師は「スタンダードブックストア」を運営する
株式会社鉢の木 代表取締役 中川和彦さん

会場も「スタンダードブックストア」心斎橋店をお願いして
併設のカフェに特別に講演会場を用意していただきました。

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雨が小止みになった京都から大阪心斎橋に向かいます。

心斎橋から御堂筋を南に歩き「ミッテラスジ(三津寺筋)」を西に。
ちょっと時間に余裕があったのでアメ村からディープみなみを歩きます。
久しぶりですが相変わらず国際的な猥雑さが溢れています。

講演は講師の中川和彦さんのプロフィールから始まりました。
中川さんは1961年生まれ  51歳 
大阪市立大 生活科学部住居学科卒業

本の取次店(卸店)の営業されていたお父さんが
会社を辞め独立して本屋をやろうと興した会社が
株式会社鉢の木で由来は鉢は本が金になるという意らしい。

1985年大阪市立大卒業、本屋見習いを修業するため紹介され書店入社
労働環境は酷いが仕入れた本が売れるのがおもしろいと発見。
しかし一年ちょっとで退社、建築設計事務所入社 1986・5

その後お父さんの具合が悪くなり1987・3 株式会社鉢の木入社
そしてお父さんが亡くなり代表取締役就任
高島屋大阪店の書籍売り場がメインの売り場。

1989・11 高島屋大阪店書籍売場がBFに移転増床。
その結果場所が良かったのか月額1億円以上の売上を計上。 
ベストセラーしかおかない商品回転重視の本屋。

チェーンストア企業が集まるセミナーに参加
アメリカ視察にもなんども参加してそのとき知った
アメリカの本屋のまちなかでの存在意義が後に生かされます。

2002・3 高島屋大阪店書籍売り場が移転縮小され
恐れていた売り上げの大幅な減少に遭遇します。
なんとかしようと飲食業界に転身し東京に単身で乗り込みます。

その後飲食業界を転々とされますが東大阪の本屋さんの
物件を紹介されて再び大阪に戻り弟さんと一緒に本屋を開店。
2004・12 東大阪 吉田書店 オープン。

もうその頃にはネットでのオンライン本屋はあったのですが
東大阪の吉田書店にはPCなんかいじれないお客さんから
本の「取り寄せ」を頼まれ、まちに本屋の必要性を痛感。

そして2006・12 スタンダードブックストア心斎橋店を開業

   本屋ですが
   ベストセラーは
   おいてません

スタンダードブックストア心斎橋店は
普通の本屋が好きになれなかった中川兄弟が
「自分たちにしかできなくて、
 自分たちが行きたくなる店をやろう!」
と、始めた本屋です。

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村上春樹がでればおいているけど、
ベストセラーを極力置かず、店に置いている本は
全部内容をチェックして置いています。

アメリカ大好き、アメリカの本屋のスタイル。
立ち読み大歓迎でアメリカの本屋にスタバがあるように
カフェを併設してそこでお茶しながら売り物の本を読んでもらう。

それがお店への来店動機になる。
品揃えは取りあえず新刊はストップする。
雰囲気は気取らない店

照明も暗いと苦情が出るくらいの明るさ。
スチール棚が並び、煌々たる蛍光灯の明るさはありません。
決して本屋のオマケではない広すぎるぐらいのカフェを併設 。

そこは「人とひとが触れ合える場」です。
有名作家のサイン会などは来てもらえませんが
手作りのイベントを目白押しに開催し
2011年には年間104本実施し参加人数4753名にも。

   本屋ですが
   ベストセラーは
   おいてません

自分が楽しいと思えることをやりたい。
自分が嫌なことはやりたくない。
本はこれからも売れ続くのか。

大きくなることがいいのか。
チェーン店は社会に貢献しているのか?
効率って何なのか?

本屋とよばれなくていい。
本屋は決して文化の発信基地ではない。
まちに必要な装置として本屋でなくてもかまわない。

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スキマを持っている。
お店は永遠に完成するのでなく
スキマがイッパイある。

自分と違う領域のひとと交わる。
そして本屋自身がメディアになる。
と講演を締めくくられました。

その後のカフェでの懇親会では
世界的コンベンションで連続受賞されている
「 箕面ビール」社の社長さんと娘さんで工場長さんも来られ
ビアサーバーを持ち込んでいただき
三種類の生ビールを堪能させていただきました。

箕面ビール.jpg

今年度のMCEI大阪支部の年間テーマは「Re:Marketing」です。
Re:Marketingの「Re」は原点回帰の意味と
Re:mailなどの繋がりの意味でもあります。

講演の最後に中川さんが
「マーケティングなんてきらい!
と仰りました。

経済至上主義でなくもっと
ヒューマンスティックな交わり。
効率至上主義でない生き方。

そんな思いがつまった「スタンダードブックストア」
その店内には若いカップルや友達同士の来店客が
静かに本を手に取りページをめくっていました。

いやあぁぁっ!まさに旬の話題でした。
ぼくたちが目の前に突き付けられている心の問題。
マーケティングにできることを考えなければなりません。

MCEIは多様なマーケティングの現場で
困難な課題に挑戦し続けている実務家の組織です。
今年度のMCEI大阪支部もすごいです。

勝負はこれから。
これからが面白くなる。
元気出していきまっしょい。