理事長の澤田です。6月の定例会レポートです。

「何有(かいう)とは、何か有るようで何もない」

しかし、何もないようで何かある。
何有荘とは、言葉に出来ない宇宙の真理が
秘められた聖空間である。

昨日は大阪でのMCEI大阪支部 2012年6月度 定例会でした。
お越しいただいた講師はノブレスグループ 代表 川井徳子さん。
『物語力とマーケティング〜何有荘が教えてくれること〜』
というテーマでお話を伺いました。

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裁判所の競売物件になっていた
南禅寺界隈別荘群の一つであり
我が国有数の日本庭園「何有荘(かいうそう)」

その「何有荘」を裁判所の競売によって買い取り
その係争中に2億円をかけて庭園整備をし
きな臭い風評を払拭するためのイベントも行いました。

最終的にはアメリカのオークションハウスである
クリスティーズの仲介によって売りに出され
オラクル社CEOでありアメリカで三番目の金持ちの実業家で
川井さんたちが望んだ「ビル・ゲイツみたいな人」のひとり
ラリー・エリソンが購入し現在に至ります。

今回のテーマである「物語力」について「何有荘」の
明治維新以降の南禅寺境内の塔頭跡地に築造された歴史、
琵琶湖疏水や東山の借景などのロケーションについて話されました。

そして所有者の変遷や二代目所有者の宝酒造社長であり
中興の祖と呼ばれる大宮庫吉が名付けた
「何有荘」という名前。

疏水の水量を利用して落差のある滝を配置した
日本庭園を造った「植冶(うえじ)」と呼ばれる
庭師小川治兵衛。

その日本庭園には鐘楼や複数の滝、水車小屋などがあり
秋の紅葉期には紅葉の「赤」と滝の「白」が輝き
春の新緑には芝生や苔の「緑」がすばらしいと仰る。

川井さんは「文脈をつなぐ」と話されました。
言い換えれば「コンテクスト」
コンテクストを理解し掘り起こす。

明治維新以降の近代日本における政治家や豪商や文化人たち。
海外留学を経験した彼らは改めて日本的なものを望みました。
それは禅であり、茶道であり生け花であり、幽玄であります。

「幽玄とは
 幽けきもの(かそけきもの)、玄きもの(くろきもの)
 すなわち見えないものを見る力」

そんな日本的なものをグローバルな視点で見つめなおし
外人たちにも理解できるものとして差し出すことが
グローバル時代の「物語力」と最後にまとめられました。

最初の頃は静かにやさしくお話しされていましたが
「何有荘」の薀蓄に入るころからは一気にヒートアップ
川井さんには「何有荘」への思い入れが大きいと分かりました。

今年度のMCEI大阪支部の年間テーマは「Re:Marketing」です。
Re:Marketingの「Re」は原点回帰の意味と
Re:mailなどの繋がりの意味でもあります。

川井さんは昨日の講演の最後に「Re Japan」とまとめられました。
昨日の定例会の前にNPO法人としての総会を開催しました。
昨年度のご報告と新年度方針を発表し承認いただきました。

今年は地震・つなみ・原発の被害からの復興であり
再構築への長い闘いの一歩を踏むだす時です。
そのためにマーケティングができることを考えなければなりません。

将来の世代のためにできることを考えなければなりません。
マーケティングならきっとなにかをやれる可能性は
いくらでもあるはずです。

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そして今年MCEI大阪支部は40周年を迎えます。
先人たちが遺してくれたマーケティングの鼓動や熱情を受け継ぎ、
次世代マーケティングを構築していかなければなりません。

いやあぁぁっ!まさに旬の話題でした。
重いです。響きます。
マーケティングにできることを考えなければなりません。

MCEIは多様なマーケティングの現場で
困難な課題に挑戦し続けている実務家の組織です。
今年度のMCEI大阪支部もすごいです。

勝負はこれから。
これからが面白くなる。
元気出していきまっしょい