そうそう!そうでした。そうでしたねぇ。
ちょうど一年二ヶ月前からのことでした。
私たち消費者の震災直後からの意識と
行動の変化をデータを基にみせていただきました。
昨日のMCEI大阪支部 2012年 5月度 定例会は
我が国のNo.1マーケティングリサーチ会社である
株式会社インテージの西日本支社の平井公一さんが講師でした。
http://www.intage.co.jp/

「SCIデータ」というのをぼくが初めて知ったのは
東京の商業施設企画会社でプランナーの卵として
働き始めた35年前くらいの時でした。
「SCIデータ」ですからソーシャルナントカという
英語の三文字略語と思い込んでいたのですが
ナント社会調査研究所の日本語の略と教えられました。
そうなんですね。
株式会社インテージの前身は株式会社社会調査研究所
1960年3月2日創業とHPに書かれています。
http://www.intage.co.jp/intagegroup/history/
消費者定点観測としてSCI(全国消費世帯パネル調査)や
SLI(全国女性消費者パネル調査)からスタートして
現在はSCI-personal (全国個人 消費者購買パネル調査)です。
これは日本全国約50,000人の男女のモニターが
購入した商品のバーコードを携帯端末でスキャンし、
24時間/365日の消費者購買行動を把握・分析されています。
もうひとつはカスタムリサーチです。
現在はインターネット調査を中心に
面接、インタビューや郵送などでアンケート調査をしています。
株式会社インテージはこのようなデータを基に
各企業のマーケティング戦略の策定支援も実施する
国内No.1コンサルティング&マーケティングリサーチ会社です。
今回はその調査データを基に震災前と震災後の
消費者の意識と行動の変化を話していただこうと
西日本支社の平井さんお越しいただきました。
スライドに映し出されるデータの数々。
震災直後から一ヶ月ぐらいのデータ。
そして半年後と一年後のデータの比較です。
意識の変化と行動の変化に分けてお話いただきました。
直後のパニック状態での強い不安は一ヶ月ぐらいでは薄れますが
その後「絆」に表される家族やコミュニティへの参加意識は持続します。
東北地区や首都圏と京阪神地区とでは温度差はありますが
エコロジーや節電意識、寄付活動や
被災地の産品購入で支援意識は強いです。
情報源はテレビやネットでS-N-Sからの情報の
役立ち度はテレビと同等ぐらいであった
というデータもありました。
日常行動では外出、外食が減少し家にいる時間が増え
テレビを見ていることが多いです。支出を控える。
特にレジャーや旅行などの支出の減少が目立ちます。
ガソリンや食費は増えレトルト食品や乾電池の購入が増えています。
そうでしたねぇ。
震災直後にはミネラルウォーターの大型PETや
トイレットペーパーや生理用品が商品棚から消えましたね。
半年後には福島第一原発が不安の大きな要因になってきます。
特に小さいお子さんをもつ女性にとっては大きな不安です。
再び起きるかもしれない地震、津波に対する不安も根強いです。
外出、外食はやや戻るが震災以前には戻っていません。
食品の購買はほぼ6月頃には元に戻っています。
買い物金額が増えているが買い物回数は減ったままです。
そして震災一年後。
意識の差はほぼ震災以前に戻ります。
被災地との距離感は心理的な距離感に比例しています。
特に距離感がある遠くに住んでいる人でも
被災地や被災した人と何らかの縁がある人は
心理的にも被災支援 社会協力の意識が強いです。
ぼくにとってもこの一年のことはあまり記憶がありません。
多分日本人全員が程度の差はあっても
PTSD(心的外傷後ストレス障害)だったように思います。

いみじくも今日は5月11日。
あれから一年二ヶ月です。
満開のさくらはもう津軽海峡を超えて北海道を北上しています。
http://www.1101.com/sakura2012/index.html
今年度のMCEI大阪支部の年間テーマは「Re:Marketing」です。
Re:Marketingの「Re」は原点回帰の意味と
Re:mailなどの繋がりの意味でもあります。
今この時代に再びマーケティングができることを考え、
また、マーケティングの本来の姿を
考えてみたいと思っています。
今年は地震・つなみ・原発の被害からの復興であり
再構築への長い闘いの一歩を踏むだす時です。
そのためにマーケティングができることを考えなければなりません。
将来の世代のためにできることを考えなければなりません。
マーケティングならきっとなにかをやれる可能性は
いくらでもあるはずです。
そして今年MCEI大阪支部は40周年を迎えます。
先人たちが遺してくれたマーケティングの鼓動や熱情を受け継ぎ、
次世代マーケティングを構築していかなければなりません。
講演が終わった後、平井さんお願いしました。
「二年後、三年後にどんな変化が表れるのか知りたいので
ぜひ毎年この時期にご講演をお願いします」と。
いやあぁぁっ!まさに旬の話題です。
重いです。響きます。
マーケティングにできることを考えなければなりません。
MCEIは多様なマーケティングの現場で
困難な課題に挑戦し続けている実務家の組織です。
今年度のMCEI大阪支部もすごいです。
ご期待ください。
勝負はこれから。
これからが面白くなる。
元気出していきまっしょい!