昨日はMCEI大阪支部6月総会&定例会でした。
講師はこの4月から電通を退職してフリーランスになられた
さとなおさんこと佐藤尚之さん。
テーマはソーシャルメディアと新生活者消費行動モデル概念「SIPS」。
昨年の4月の定例会にお呼びして二回目の登壇です。
この13か月の間の出来事が異様に凝縮されて思い出されます。
昨日のケメ通にも書きましたのでそこいらあたりは割愛します。
フリーランスのなられたさとなおさんのスライドには
コミュニケーション・ディレクターという肩書がありました。
テーマは「SIPS」です。
さなメモをチェックするとこんな文章がありました。
【転載ここから】
これは、このさなメモで去年の9月21日に書いた
「AIDMA → AISAS の次は、『SIPS』かな」を元に、
http://www.satonao.com/archives/2010/09/aidma_aisas_sip.html
電通のサトナオ・オープン・ラボで考察を深めたものである。
次世代のコミュニケーションを考察する場である「サトナオ・オープン・ラボ」では、
これからのソーシャルメディアに対応した生活者消費行動を
『共感する:Sympathize → 確認する:Identify
→参加する:Participate →共有・拡散する:Share&Spread』と
シンプルに整理し、その考え方を略して「SIPS」と名付けました。
<詳細・解説はhttp://www.dentsu.co.jp/sips/index.html>
【転載ここまで】
生活者の消費行動論における購買行動モデルには
古くからAIDMA(アイドマ)というのがあります。
A:Attention(注意) 「ん?これなんや!」
↓
I:Interest (関心・興味)「おもろそう!」
↓
D: Desire(欲求) 「欲しいなぁ〜」
↓
M: Memory(記憶) 「憶えておこう!」
↓
A: Action (行動) 「よっしゃ!買おうぞ」
こんな購買行動の段階に合わせて
企業側は生活者が欲しがる情報を適時提供しなければなりません。
電通さんはそのAIDMAをインターネットの普及を背景に、
2004年から「AISAS」という消費行動モデルを提唱しています。
この二つに共通しているのがA:Attention(注意)であり
I:Interest (関心・興味)であり
最終ゴールがA:Action (行動)です。
ところが「SIPS」にはAもIもゴールのAもありません。
注意を惹くためのA:Attentionがあれば声は大きくなります。
目だってナンボの押し付けパワーマーケティングです。
「SIPS」のSはSympathize(共感する)です。
そこには声高に押し付ける言葉はありません。
あくまでも共感があるだけです。
ぼくの言葉では心ふるえる共振でしょうか。
そしてIdentify(確認する) →Participate(参加する)
最後はあくまでもShare&Spread(共有・拡散する)
決してゴールは売ってしまえがそれで終わり
売り切りゴメンではありません。
【昨日の講演メモから】
ソーシャルメディアはまだまだ弱い。まだまだ一部のヒトのもの。
しかし関与する人たちを結べつけた。関与する生活者。
関与したかったけど今まで関与する方法を持たなかった生活者をつなげる。
情報洪水 成熟市場 信頼できる情報を短時間で知りたい。
ネットの洪水 リーマンショック 行き過ぎた資本主義
そして3・11 人とヒトとつながりが再度考えられる
ソーシャルメディアレボリューション
ツイッターはRT あっという間(数分)で拡がる。
RT いいね!、は発信 Fbのいいね!ボタン。
否定から始まるのでなく肯定から始まる
情報は肯定されるものになった。共感という重みづけ
受信者=発信者になった。
真のブログになった。
共感されない情報は価値を持たない。拡がらない。
情報に出会う順番が変わった。
AttentionやInterestでなく共感から始まる。
検索は能動メディアだがソーシャルメディアは受動メディア
有益な情報があなたを見つける。
受動的に有益な情報に出会う場所
LINKからLIKE.
検索して探すより いいね!ボタンの友人の共感を重視
Googleの検索はもういや!リアルタイムでない。
情報より人が来る。検索よりも友人、知人の言葉
相関図 ソーシャルグラフ複層的に繋がる。
個別プラットフォーム時代 ばらばらにつながりを持つ。
ソーシャル・プラットフォームは複層的につながる。
自動的無自覚的に拡散が起きる。
善意の連鎖 社会貢献 CSR
SIPS 共感には2種類ある。
「発信元への共感」
「情報そのものへの共感」
参加者 → 応援者 → 支援者 → 伝道者
伝道者のお薦めは最強。エバジェリストからリコメンドしてもらう。
100万人に薄く伝えるのでなく100人の伝道者を捉まえる。
ロング・エンゲージメント 長い関係性を関与する生活者と構築する。
【講義メモここまで】
●MCEIとは
<Marketing Communications Executives International OSAKA>
http://www.mcei-osk.gr.jp/
MCEIは多様なマーケティングの現場で仕事をしている実務家の組織です。
メーカー、流通、エージェンシー、メディア、コンサルタント。
どこに所属していても、すべて困難な課題に挑戦している実務の人ばかりです。
MCEIが問題にするマーケティングの領域は広範です。
商品開発、広告、販促、営業、流通、さらに組織や経営も取り上げます。
実務の世界では、すべて分かちがたく結びついているからです。
MCEIは、非営利のマーケティング研究組織として、
会員のボランティアで運営されています。
永年の活動が評価され、NPO法人として認証されています。
●2011年度のMCEI大阪支部のは年間テーマは「素」(す)のマーケティング。
これからの企業は日頃の「素」顔が試されることになります。
2011年度のMCEI大阪支部の活動に参加したひとすべてが
「素」(す)の美しさや素直さを改めて感じさせるマーケティング活動。
そんなMCEIでありたいと思っています。
私たちはまだ、復興への長い闘いの始まりのほんのとば口に着いただけです。
この災害の復興は長期間に渡ります。まだやるべきことはたくさんあります。
そのひとつがマーケティング活動です。
マーケティングができることを考えなければなりません。
未曾有の大災害を目の前にして将来の世代のためにできることを考えなければ
なりません。
マーケティングならきっとなにかをやれる可能性はいくらでもあるはずです。
かつて水口健次先生もおっしゃっていました。
「この歴史的な困難の中で、マーケティングは、どういうことになるのであろうか。
勝負はこれから。元気出していこう。」
大阪支部は2012年に創立40周年を迎えます。
40年間マーケティングの最前線の現場で活躍している
会員の皆さんの応援をいただきMCEIは活動をつづけてきました。
そしてこれからもますますパワフルに活動を続けてまいります。
ぜひMCEI大阪支部の活動にご参加ください。