「志(こころざし)とは十の心をひとつにすると書きます」

講師の阪本さんの講演の最後の言葉でした。
昨日はMCEI大阪支部2011年4月度定例会。
2011年度になってからの最初の定例会でした。

2011年度のMCEI大阪支部定例会の年間テーマは
「素」(す)のマーケティング。
これからの企業は日頃の「素」顔が試されることになります。

そう先月の2010年度の最後になる3月定例会で締めくくった
その翌日にあの震災が起きました。
そして早くも一か月が過ぎて新年度4月度定例会がやってきました。

講師の阪本啓一さんは1958年大阪府生まれで尼崎育ちとか。
アマァッ!ですかっ!って
思わずつっこむぐらいのコテコテ関西人です。

でもプロフィールをみると阪大出身で旭化成に入社後
独立して渡米しNYでコンサルティング会社を設立され
現在は横浜にオフィスを構えて世界を飛び回る国際人。
関西弁で講演できるのがとてもうれしいと仰る。

あぁぁぁっ!ぼくが阪本さんと同年齢のもう10歳若かったら
昨日教えてもらったことを使って
ビジネスを立ち上げられたかもしれません。
そんなことを思わずおもってしまう講演でした。

今回の定例会も理事長としてのぼくの司会から始まりました。
先月と同様今年のテーマは「
素」(す)のマーケティングですとお話しました。

阪本さんはそのテーマをちゃんんと受けてもらって
被災地のコンサルティング先と電話で安否確認の時の
先様のオーナーの方の会話を話されました。

「なにもなくなってしまったんだから
 カッコなんてつけてられません」
だからそれこそ「素」(す)のマーケティングですよっと。

「あたりまえ」の時代。
飾らない味や品質。
期待を上回ることの重要さ。

いろんな企業の事例も教えてもらいました。

福井永平寺の米五のカレー味噌の事例。
眼鏡屋は眼鏡を売るのなく視力をデザインするという眼鏡屋さん事例。
まさに生活者が買う理由は共感!であり、企業が売る理由ではありません。

共感企業はフェースブックでいうところの「いいね!」であり
ツイッターのRTなんです。
それが社名でもある「JOY+WOW」

企業は顧客に商品を奨めるときには
先ずSpec(機能)を説明し次にValue(価値)を話し、
最後にようやくScene(生活シーン)を説明します。

しかし顧客はまずScene(生活シーン)が知りたいのです。
その商品を購入すればどんなわくわく・どきどきが
もたらされるのかが最大の購買決定要因です。

専門的なテクノロジーのSpec(機能)や
それがいかに企業にとって大変なValue(価値)なのかは
生活者にとって関係ありません。

Spec. Value. Scene  この順序を逆にしないといけません。
ビジネスがうまく進捗しないということはつまり
前提が変わっているということを自覚しなければなりません。

ブランドは記憶に粘りつくもの。憶えてもらう。
ネーミングはそれの最たるものであり
他社がやらないことをやるからブランドになる。
ブランドは顧客の中に蓄積されるもので商品の中にない。

パッケージはモノを包むモノ。約束事。
価格は価値のマニフェスト。
比較指標。相対指標でなく絶対指標。

今回の震災をきっかけに根本的な洗い直しが必要。
満たされていないものを見つける。
不足、不満、不安を見つけ解決していく。

商売のトライポッドと ビジネスのマネジメント・ボール
もう一度トライポッドとマネジメント・ボールを考え直す。
企業の価値資産は本物価値資産 時間資産 環境資産(自然資産)

最後には「YAZAWA指数」という言葉も飛び出しました。
あの矢沢永吉です。彼の渇き指数です。
ハングリー指数でしょうか。

私たちはもっと渇き指数を上げないといけない。
Who am I 私ってなに?を考える。
そして最後が「志は十の心をひとつする」でした。

いやあぁっ!ネイティブカンサイベンでぼそぼそと
話される内容はものすごく熱いものでした。
まさにMCEI大阪支部の2011年度のテーマ「素」そのものでした。

MCEIは多様なマーケティングの現場で仕事をしている実務家の組織です。

メーカー、流通、エージェンシー、メディア、コンサルタント。
どこに所属していても、すべて困難な課題に挑戦している実務の人ばかりです。

いやあぁぁっ!MCEIの定例会はおもしろい!
元気をもらえます!
元気になれます!

ぜひ次回の定例会には一度お越しになりませんか?