コーバイセッテンとは生活者が購買したい商品と出会う接点です。
購買接点は最近ではヴァーチャルとリアルの二つの業態が存在します。
ヴァーチャルはツーハン!通信販売、無店舗販売です。
最近ではネット通販が大隆盛しています。
一方リアルはまさに生活者が欲しい商品を
手にとって見ることができる小売業です。
小売業には組織小売業と業種別小売業があります。
組織小売業とは組織的に広域でチェーン展開する小売業。
1960年以降に我が国に上陸した業態でGMSやSM・CVSや
家電量販店・スーパードラック・HCなどがあります。
これらも最近こそ売上を落としていますが
その勢いはとどまるところを知りません。
そして最後が業種別小売業です。
業種別ということはまさに業種ごとの小売業です。
魚屋さん八百屋さん肉屋さん米屋さん酒屋さん薬屋さんなどなど。
基本的にはメーカーが作った商品を問屋と呼ばれる
卸売業を通じて仕入れて生活者に再販売します。
我が国の伝統的な取引制度は
「特約店制度」と「多段階建値制」です。
W/R比率で表わされるように我が国の商流は長いです。
「川上」から流れ出した商流の出口に小売業が存在します。
業種別小売業が集まったものが「市場(いちば)」です。
業種別小売業が通りに連なっているのが商店街です。
アーケードやカラー舗装などが施され昔は隆盛していました
しかしこの業種別小売業が組織小売業が我が国に上陸して以来
その商業機能の狭さのためなのか社会環境の変化に
ついていけないのか分かりませんが斜陽の一途を辿っており
全国各地に「シャッター商店街」が出現しています。
これはまさに京産大の「営業力」の講義でも
昨日の午後あった大阪天満橋での大手前栄養専門学院での
カンリエーヨーシさんを目指す若い学生さんの前で
大いに声を枯らして講義している内容です。
昨日授業を終えて駆け付けたのがすぐ近くの天満橋の
ドーンセンターであったNPO MCEI大阪支部の7月定例会でした。
講師にお迎えしたのは大阪商工会議所
中小企業振興部 次長の堤 成光(つつみしげあき)さん。
大阪の商売繁盛の素の発信所 
大阪の商工業者の経営者さんが集まる大阪商工会議所。
昨日の講演のテーマは現在大阪商工会議所が推進する
「商店街・賑わいプロジェクト」のお話です。
2008年4月に始まったプロジェクトです。
http://www.osaka.cci.or.jp/nigiwai/
今大阪市内には商店街が約500弱存在するらしいですが
その大阪市内の商店街は繁盛していると感じているのは
たった2.5%しかありません。
ちょっと上向きになっていると感じているところも7.8%です。
合わせるとたったの10.3%なんですがこれでも全国平均より
圧倒的に高い水準とか。全国平均は合わせても3%しかありません。
そもそも商店街振興なんて必要なんですか?
冒頭から過激的な投げ掛けから講演は始まりました。
うまくお話できても1時間ぐらいと仰っていましたが
なんの!なんの!定刻の90分を超えても
まだまだお話はつきませんでした。
「なんぼ金を出してくれるんやぁ!」とオネダリ体質になっている
最近の商店街のエライさんたちの意識を変えてもらうために
1円も提供しない前提での大阪商工会の地域振興のお手伝いです。
最近の実績事例としてお話されたのがプロジェクト立ち上げと
同時に開始された「商店街観光ガイドツアー」です。
外部のエライセンセーやプロのガイドさんが案内するのでなく
店主自ら店頭に立ち我が店の商品やウンチクを熱く語ります。
二つ目は今異常なほどの盛り上がりをみせる「100円商店街」です。
今年の4月3日に千林商店街で実施してからワレモワレモという
商店街で一気に盛り上がり今年度中に約50もの商店街が
実施するかもしれないぐらいの異常盛り上がりらしいです。
最後はアメリカ村の落書き消去を成功させた事例です。
かつて同じように落書きや治安の悪化に悩まされていた
アメリカNYの時のジュリアーノ市長が取り上げた「割れ窓理論」
路上に置いた車の窓を1枚割っておくと車がボロボロにされる
という実験結果をもとに犯罪予防には早期発見、早期対応が
効果的であるということをうけての地域の活動の報告です。
堤 次長さんは一連の商店街振興策について
「決してこれは万能薬ではありません」と仰る。
しかし今までの机上のプランでなく
より「具体的・現場密着・地域協働」がテーマと続けられました。
高齢化が進む地域と同じように高齢化に悩む商店街事務局
平均年齢65歳の青年部会という笑えない話も聞きました。
ますますボス化するレンゴーカイカイチョーさんたち。
イベントがあるときだけが通行人で賑わう
商店街であってはいけないと思います。
もちろんイベントもなにもないシャッター商店街よりは
よっぽどましなんでしょうが組織小売業が日々行っている
マーケティング活動に打ち勝つためにはイベントだけでなく
絶え間ない日々の商店街活動が必要だと思います。
ケメコはうすの近くの比較的元気な商店街
三条通り商店街(京都三条会商店街)の
キャッチフレーズは「365日晴れの町」です。
接客業はモノをうってお金をもらうのでなく
モノを売ってその生活者の課題を解決して初めて
その代金をもらう365日の活動です。
ですから営業力は愛!なんですよね。
いやあぁぁっ!おもしろいお話しでした。
来月もMCEIはますますパワーアップです。