掘りだそう、自然の力。 これがカルビー社のコーポレットメッセージです。

昨日のMCEI大阪支部の11月定例会は
カルビーのトレーサビリティのお話を聞きました。

開場は今回初めてお願いしてお借りした
大阪本町にあるグンゼさんの会議室です。
3つに分けられる会議室を全部お借りしました。

講師はカルビー湖南工場の原料専門官の川崎滋生さん
現在は分社化になって正確にはカルビー湖南株式会社。

カルビー社はカンパニー制をひいていて原料専門官は
各カンパニーに必ずひとりづつおられるという
非常に重要なセクションです。

マツイヒデキと同年齢で大学院で農学を学ばれた川崎さんは
現在近畿圏では二番目にじゃがいもに詳しいと
仰る研究者であり実務家です。

トレーサビリティとは、英語の
「トレース(Trace: 足跡をたどる)」と
「アビリティ(Ability:できること)」の合成語です。

北海道の道央や道東の契約農家さんがつくるじゃがいもは
4月に植え付けられ6月に花が咲き9月に収穫されます。
それを9月から翌年4月までのポテトチップスの生産に使用しています。

5月から8月までは九州産や滋賀県産のじゃがいもも使っています。
北海道のじゃがいものは収穫されると現地の定温倉庫に
工場に出荷されるまで保管されています。

生産者から畑の環境、農薬の使用状況そして保管状況
その間のありとあらゆることを記録していただき、
それをデータ化し瞬時に検索できるようになっています。

もうひとつは工場の生産ラインの記録もあります。
北海道の定温倉庫からは毎日湖南工場へ向かって
じゃがいもを積んだ大型トレーラーが走ります。
運転手やコースはもちろん荷台の積載順まで記録されています。

そして工場について生産ラインに投入されてポテトチップスに
完成するまでのたった20分の間の記録もデータ化されて瞬時に分かります。

このシステムはカルビーさんの自社開発らしいです。

お客さんがパッケージに印字された生産工場の記号や生産日を
ケータイやパソコンから打ち込むと使用したじゃがいもの
生産者の顔写真や生産履歴までもが公開されます。

このシステムを導入してまだ数年しかたっていないらしいですが
ここまでやらないともうお客さんからの信頼は勝ち取れません。
カルビー社と契約農家はまさに一心同体です。

「じゃがいもに命をかけています!」と川崎さん。
過去の偽装事件のようなトラブルが発生したら我が社はつぶれます。
そうなれば契約農家さんも倒れます。ですから命をかけています。

毎年厳寒の2月にカルビー社の全国のセールスが現地の
契約農家さんを訪ねてポテトチップスの市場動向などを説明し
夜はどんちゃんさわぎの交流会があるといいます。

ポテトチップスはまさに生鮮食品。
大量生産大量販売の産業化された商品ですが
材料は生きているひとつひとつが違う自然の恵みのじゃがいもです。

それらを完璧に安心安全とするためにカルビー社の
トレーサビリティシステムと鮮度管理システムが
両輪となって動いているのです。

まさにフードメーカーの切磋琢磨を目のあたりにしました。