一昨日の時点では中止も考えたMCEI大阪支部の昨日の定例会
一気に台風一過の晴天までにはなりませんでしたが
夕方には完全に雨もやんで大阪市内は青空が拡がりました。

昨日のMCEI大阪支部10月度定例会の講師はキリンビールの伊藤さん。
今年の4月に近畿圏営業企画部長に着任され
同時にMCEI大阪支部の理事にも就任いただきました。

着任後の忙しさでなかなかMCEIには出席いただけなかったのですが
夏になってようやく理事会に出席いただいたときに
理事長のぼくから半ば強引に定例会でのご講演をお願いしました。

テーマは「熱闘ビール甲子園」
長らくアサヒビールが独占していた甲子園球場でのビール販売。
今年初めてこの甲子園球場の外野席に生ビールの販売にキリンが挑みました。


この様子はぼくが今年夏の高校野球で甲子園球場に出かけときの模様を
ぼくのブログ「ケメコ通信ブログ版Ⅱ」(ビール甲子園 09/08/21)

写真付きでアップしています。
http://kemeko-guitar.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/090821-701c.html

今月の定例会はそのチャレンジはいかにして成しえたか。
そして、今年の結果はどうだったのかを、キリン社内部からの
リアルタイムの情報で総括してもらおうとお願いしました。

ちょうど1年前の9月29日に亡くなられたMCEI東京大阪創設理事長で
ぼくにとっては永遠の師匠であるミズグーこと水口健次さんに
教えられたことばがあります。

「澤田なぁ、日本の、世界のメーカーというアホどもは
 メーカーとい字のとおりモノを大量に均一に作るだけのアホで
 できあがったモノを売るのは問屋や小売に任せておる」

そうなんですねぇ。
すべては産業革命から始まりました。
大量生産、大量宣伝、大量消費。

大量にモノを作れば作るほど一つ当たりのコストが下がり
利益が増えるという規模の経済性の呪縛に縛られた
世界中のメーカーがいまも続けている生産活動です。

しかし社会は変化し続けています。
とくに社会構造がかわり消費構造が根底から変わっています。
生前にいつも言っておられた言葉があります。

「酒は食品になる」 水口健次

酒は食品になる。

なぜか。
消費リーダー、特に女性が、
酒の消費をリードしはじめたからである。

彼女たちは、  酔うための酒を求めない
食事をおいしくする酒、
おしゃべりを楽しくする酒を求める。

それがワインであり、ビールであり、
吟醸酒であり、低アルコールのカクテルである。

酒は、食の続き、
食の一部になってきたのである。

転載ここまで

昨日のキリンの伊藤さんのお話は
ミズグーの教えを受けてきたキリンが
それまでのモノつくりだけのメーカーから
お客様に一歩も二歩も近づいた結果のお話でした。

そしてぼくが教わった一番大事にしているミズグー語録のひとつに
「たったひとつの真実」というものがあります。

「もっとおいしいものを食べたい、
 もっと楽しいことに出会いたい。
 もっとスマートに生きたい。

 すべての人がそう願い、そう望んでいます。
 それが、人間の願望です。

 マーケティングはこの願望に
 応えようとする企業の活動です」

(水口健次著「マーケティング戦略の実際」)

ミズグーこと水口健次さんは40年前にMCEI東京支部を創設され
その3年後に大阪支部を創設され永きにわたって指導をされてこられました。

MCEIは水口さんの人生そのものです。

そして昨年9月に亡くなられました。
ミズグーはMCEIに対してこんな思いも残しておられます。

「MCEIは今一番知りたいテーマについて、
 今一番議論できる、日本で一番実践的な組織だ!」

「MCEIは多様なマーケティングの現場で
 困難な課題に挑戦し続けている実務家の組織だ」

ミズグゥゥゥッ!
あなたが教えてくれたこと
あなたが残してくれたこと!

大丈夫ですよ!
ちゃんと教え子たちの心の中に育っていますよ!
あなたの信念が脈々と受け継がれていますよ!

「勝負はこれから。これから面白くなる。元気出していこう」